iPhoneは携帯電話ではない!
一ヶ月ほど前から iPhone を使い始めた。作家・ジャーナリストの日垣隆さんが開催する読書会で、KindleまたはiPhoneを使った電子書籍の読み方を紹介すると告知があったことがきっかけだ。もちろん多くのiPhoneユーザーと同じく、これまで使っている携帯はそのまま使っている。実際にiPhoneを使ってみると、その機能の多彩さには驚くばかり。携帯やiPodだけでなく、YouTubeやTwitterをスムーズに使いこなすことができる。アプリも豊富に用意されて、これさえあれば一日時間をつぶせそうだ(バッテリーが続く限り)。
そこで iPhone をまだ使っていない知人に薦めてみる。
「いや~、最近携帯を替えたばかりだから。契約が切れてからにするよ。」との答え。
「ちょっと、違うんだけどな・・・」と内心では思う。しかしそこからどう話を進めていけばよいのか思いつかない。iPhone=携帯電話ととらえている人に、iPhoneの持つ良さを短い言葉で伝えるのはなかなか難しい。ちまたでは、iPhoneを「スマートフォン」という呼び方をし、携帯電話の中でもビジネスユースに強い機種というかたちで紹介される。ただ、実際に使ってみると、iPhoneは「優れもの携帯電話」とはちょっと違う感じがする。この感じをどう伝えたらよいのだろう。「電話もできて、音楽が聴けて、動画が見られて、ツイッターができて、ゲームもできるんだよ」というのでは、何か伝え切れていないものを感じてしまう(間違いではないのだけれど)。パソコンを小さくしたものというのも、違う気がする。
あるモノを説明するために、私たちはよくカテゴリーに分類する(iPhoneは携帯電話、この本は小説というジャンル、あの人はA型などなど)。便利な方法であるのは間違いない。説明する側とされる側が、従来のカテゴリー分けに共通の認識をもっていれば、説明もスムーズにいくからだ。
しかし、カテゴリー分けにはデメリットもある。それは、あるカテゴリーに分類することによって、そのモノの持つ性質の一部しか見えなくなってしまうことだ。iPhoneに電話機能がついているのは間違いないが、同時にデジカメでもあり、音楽プレイヤーでもあり、小さいパソコンでもある。電話とデジカメとiPodとネットブックを別々にそろえれば、iPhoneになるのかというとそうではない。さまざまな機能が一体化したことにより、iPhoneではこれまで難しかったことが、いとも簡単に可能になる(ツイッターで現場から写真を世界中に送ることなど)。ひとつひとつの機能自体は特に目新しいものではなくても、それがひとつのパッケージになると、これまでとは違った使い方ができる。
このように考えると、iPhone=携帯電話ととらえるのは、デメリットのほうが大きい気がする。私たちは分類して、いろいろなものにラベルをつけることに慣れている。しかし、分類することによって失うものもある。iPhoneに限らず、自分の身の回りのものやサービスを、従来の分類とは別の観点で、「ありのまま」見つめることが必要なのではないだろうか。頭でっかちになって、既存のカテゴリーにこだわる人は、iPhoneにはなかなか手がでないだろう。だって、その人の頭の中ではあくまで携帯の一種なのだから。これはもったいない話だと思う。
私が扱っている「変額保険」という商品も、iPhoneと同じような問題がある。保険という名前がついているために、ほとんどの人が従来の保険と同じように受け止めてしまうのだ。変額保険はたしかに分類上は生命保険に属することになるが、実際はかなり「投資信託」に近いものだ。生命保険の分野から投資信託に近づいた商品が、変額保険ということになる。反対に投資信託の分野から生命保険に近づけば、「保障機能つき投資信託」という分類になることだろう(注:実際にはこういう呼び方はしません)。
変額保険はうまく活用すれば、資産運用には有効な手段となる。ところが「保険」という名前がついていることによって、損をしている。「生命保険は資産運用に向いていない」という世間の常識が、素直に物事を見ることを妨げてしまっている。もったいないなあと感じる。保険と投資は別々に考えるというのが、世間では常識のようだが、必ずしもそうではない。生命保険も投資信託も金融商品という大きなカテゴリーではさしたる違いはない(資金を金融機関預け、一定の条件の下に見返りを受けるという意味で)。
iPhoneの立場からすれば、携帯電話に分類されるのは不本意だと思う。それでも実際に使ったユーザーからの支持を得て、iPhoneは爆発的に売れている。やぱり使ってみた人にはわかるのだ。私のお客様の中には、変額保険フリークといえるような人もいる。世間の風に負けずに、多くの人をunlearn(常識の呪縛をとくこと)していこう。柔軟な脳を持つ人なら、私の言いたいこと(ちょっと変わっている?)こともきっと伝わるはずだから。
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