良い金融商品はなぜ売れない?
「カゼをひいたけれども、仕事が忙しくて病院に行く時間がない。」
「仕事帰りに薬屋でカゼ薬を買っていこう。」
そこで、あなたは薬屋の店員に「何か良い薬はありますか?」とたずねます。店員は「これなんかよく効きますよ。」と、カウンターにある薬を置きます。初めて見る薬です。あなたは「店員さんが薦めてくれるのだから、間違いないだろう。」と考えて購入することにします。
よくあるケースです。このカゼ薬は効くのでしょうか?それとも効かないのでしょうか?それはわかりません。ただ一つわかっていることがあります。あなたが買った薬は、薬屋にとって利益の大きい商品だったという事実です(笑)。
薬屋としては、特に商品の指定がなければ、一番儲かる薬を薦めます。これは薬の世界に限らず、商売では当たり前のことです。マグドナルドでソフトドリンクがセットになっているのは、ソフトドリンクが利益率の高い商品だからです。居酒屋がアルコールを薦めるのも同じ理屈です。
これは金融商品でもまったく同じです。金融機関がはじめに薦める商品は、利益率が高い商品であると思って間違いはありません。
たとえば、投資信託に関していえば、コストの安い投資信託としてインデックスファンドがあります。これから投資を始めようという人には、良い商品です。しかし、あなたからリクエストをしない限り、金融機関のほうからインデックスファンドを薦めるということは、まずないでしょう。コストが安いということは、金融機関にとって儲けが少ないということだからです。インデックスファンドはどこで買ってもほぼ同じ運用成績なので、商品に差をつけることができません。そのため高い手数料を取って売ることができません。
逆に、インデックスファンドを薦める金融機関のセールスマンがいたとしたら、その人を信用しても間違いありません。たぶん、そんな人はほとんどいないと思います。インデックスファンドの代わりに、利益率の高い変額年金やアクティブファンドを薦めるのが普通です。
このような状況は残念なことですが、文句を言っても始まりません。薬屋の例でもわかるように、これは商売をする上では、あたり前のことなのですから。買うほうも、よく勉強しておく必要があります。
ただ、現状を肯定してしまうと、良い商品はなかなか売れないことになってしまいます。世の中には結構良い商品が存在しているのですが、儲からないということで積極的に売られていないものもあります。たとえば、「確定拠出年金(個人型)」などは、よい商品です。加入できる人は、自営業者や企業年金のない会社に勤めているサラリーマンに限られますが、加入できる人にとっては確実にメリットのあるしくみです。自営業者などは全員が加入してもよいぐらいです。しかし、現時点での加入者は約8万人という寂しい状況になっています。せっかく良いしくみにもかかわらず、儲けが薄いために、金融機関が販売に力を入れないからです。投資信託を売ったほうが儲かりますからね。
金融機関に文句をいう前に、「確定拠出年金(個人型)」のような良い商品を見つけ出して、活用するほうがよっぽど効果があります。他にも効果のある商品はあるはずです。私も勉強を続けて、役に立つ商品を紹介していこうと思っています。
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郵便局で投信の販売をしています。客層が違うと言えばそれまでですが、インデックスファンドは顧客の側から見ても評判が良くありません。それはインデックス、アクティブという区分以前の問題として「株式に100%投資することが嫌」な人が多いからです。そういう意味で、単に手数料だけの問題ではないというのが私の認識です。元本確保型の仕組債や毎月分配型も全て顧客の要望です。日本の投資環境を改善したいと考えるならば、山崎元さんのような「金融機関を批判するだけの人」では何も変わらないと思います。銀行も証券会社も株式会社です。資本主義社会で利益を挙げる行為は薬局で儲かる薬を勧める薬剤師同様、正しいことをしてるまでです。
投稿: ゆうまりの | 2007年7月15日 (日) 12時58分
ゆうまりの様
インデックスファンドに人気がないのは、郵便局に限った話ではありません。インデックスファンドは買う側が要望しない限り、なかなか商談が成立しないのではないでしょうか。
株式会社だから利益を追求するのは当然という意見には同感しますが、利益追求のやり方にはいろいろあってもよいのではないでしょうか。私としては、金融機関による短期的な利益追求の姿勢が目立つように感じるのですが。
投稿: 山口哲生 | 2007年7月18日 (水) 00時03分
はじめまして! 永澤と申します。
山口さんの本と出会って、ちょうど1年ぐらいでしょうか。
私が資産運用に目覚めたのは、一昨年に子供が生まれ、学資保険を検討したことが始まりでした。
ある日、私の妻が知り合いの郵便局員から、ソニー生命の学資保険は利率が良いです、などという話を聞いて帰ってきました。早速連絡したところ、私のお金に関する考えを変えてくれた担当者の方に出会いました。
結局、学資保険だけでなく、既に加入していた保険も見直していただき、ソニー生命に、加入することになりました。
とても素晴らしい営業マンだったのですが、保険の知識がないまま加入するのが嫌だったので、保険の勉強を始めました。
担当の方には、何度も足を運んでいただき迷惑をかけましたが、納得して、保険に加入することができました。それが、昨年の5月の事です。
その時加入したのが変額保険でしたが、資産運用に関してまったく知識がなく、資産分配などはおまかせでした。保険を通じて資産運用の勉強がしたいと思い、図書館でであったのが、山口さんの、「これでだめなら投資信託はやめなさい」でした。
その後、他の2冊も読ませていただき大変勉強になりました。
確定拠出年金を昨年から開始し、老後の年金づくりの参考にさせていただきました。
今年は100万円を使って、変額保険(有期型)を、始めようと思っています。目的は、子供の結婚に備えてです。(30年後を目安にコツコツとやっていきたいと思っております)
変額保険を悪く言う人や、本でもあまり良くは書かれていませんが、山口さんの本や、紹介VTRなどをみて暖かさを感じ、とても誠実な方だと思いましたので、これからも山口さんから勉強させていただければと思っております。
また出版する予定などがありましたら教えてください。必ず購入します!! 長くなってしまいすみません。。
投稿: 永澤 陽介 | 2010年6月13日 (日) 00時38分