« 働きながら年金をもらう方法 | トップページ | 医療保険の落とし穴 »

2007年7月 4日 (水)

良い金融商品はなぜ売れない?

「カゼをひいたけれども、仕事が忙しくて病院に行く時間がない。」
「仕事帰りに薬屋でカゼ薬を買っていこう。」

そこで、あなたは薬屋の店員に「何か良い薬はありますか?」とたずねます。店員は「これなんかよく効きますよ。」と、カウンターにある薬を置きます。初めて見る薬です。あなたは「店員さんが薦めてくれるのだから、間違いないだろう。」と考えて購入することにします。

よくあるケースです。このカゼ薬は効くのでしょうか?それとも効かないのでしょうか?それはわかりません。ただ一つわかっていることがあります。あなたが買った薬は、薬屋にとって利益の大きい商品だったという事実です(笑)。

薬屋としては、特に商品の指定がなければ、一番儲かる薬を薦めます。これは薬の世界に限らず、商売では当たり前のことです。マグドナルドでソフトドリンクがセットになっているのは、ソフトドリンクが利益率の高い商品だからです。居酒屋がアルコールを薦めるのも同じ理屈です。

これは金融商品でもまったく同じです。金融機関がはじめに薦める商品は、利益率が高い商品であると思って間違いはありません。

たとえば、投資信託に関していえば、コストの安い投資信託としてインデックスファンドがあります。これから投資を始めようという人には、良い商品です。しかし、あなたからリクエストをしない限り、金融機関のほうからインデックスファンドを薦めるということは、まずないでしょう。コストが安いということは、金融機関にとって儲けが少ないということだからです。インデックスファンドはどこで買ってもほぼ同じ運用成績なので、商品に差をつけることができません。そのため高い手数料を取って売ることができません。

逆に、インデックスファンドを薦める金融機関のセールスマンがいたとしたら、その人を信用しても間違いありません。たぶん、そんな人はほとんどいないと思います。インデックスファンドの代わりに、利益率の高い変額年金やアクティブファンドを薦めるのが普通です。

このような状況は残念なことですが、文句を言っても始まりません。薬屋の例でもわかるように、これは商売をする上では、あたり前のことなのですから。買うほうも、よく勉強しておく必要があります。

ただ、現状を肯定してしまうと、良い商品はなかなか売れないことになってしまいます。世の中には結構良い商品が存在しているのですが、儲からないということで積極的に売られていないものもあります。たとえば、「確定拠出年金(個人型)」などは、よい商品です。加入できる人は、自営業者や企業年金のない会社に勤めているサラリーマンに限られますが、加入できる人にとっては確実にメリットのあるしくみです。自営業者などは全員が加入してもよいぐらいです。しかし、現時点での加入者は約8万人という寂しい状況になっています。せっかく良いしくみにもかかわらず、儲けが薄いために、金融機関が販売に力を入れないからです。投資信託を売ったほうが儲かりますからね。

金融機関に文句をいう前に、「確定拠出年金(個人型)」のような良い商品を見つけ出して、活用するほうがよっぽど効果があります。他にも効果のある商品はあるはずです。私も勉強を続けて、役に立つ商品を紹介していこうと思っています。

|

« 働きながら年金をもらう方法 | トップページ | 医療保険の落とし穴 »

「マネー」カテゴリの記事

コメント

 郵便局で投信の販売をしています。客層が違うと言えばそれまでですが、インデックスファンドは顧客の側から見ても評判が良くありません。それはインデックス、アクティブという区分以前の問題として「株式に100%投資することが嫌」な人が多いからです。そういう意味で、単に手数料だけの問題ではないというのが私の認識です。元本確保型の仕組債や毎月分配型も全て顧客の要望です。日本の投資環境を改善したいと考えるならば、山崎元さんのような「金融機関を批判するだけの人」では何も変わらないと思います。銀行も証券会社も株式会社です。資本主義社会で利益を挙げる行為は薬局で儲かる薬を勧める薬剤師同様、正しいことをしてるまでです。

投稿: ゆうまりの | 2007年7月15日 (日) 12時58分

ゆうまりの様

インデックスファンドに人気がないのは、郵便局に限った話ではありません。インデックスファンドは買う側が要望しない限り、なかなか商談が成立しないのではないでしょうか。
株式会社だから利益を追求するのは当然という意見には同感しますが、利益追求のやり方にはいろいろあってもよいのではないでしょうか。私としては、金融機関による短期的な利益追求の姿勢が目立つように感じるのですが。

投稿: 山口哲生 | 2007年7月18日 (水) 00時03分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/141708/15654096

この記事へのトラックバック一覧です: 良い金融商品はなぜ売れない?:

« 働きながら年金をもらう方法 | トップページ | 医療保険の落とし穴 »